永見隆幸 十三や 訪問 京都四条通 つげ櫛御調製処 御櫛師 櫛専門店

音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、京都の四条通にある櫛専門店の老舗 十三や を訪問されました。 十三や五代目店主の竹内伸一さん(右)と 永見隆幸先生(左) 明治八年=1875年創業の柘植櫛専門店で、奈良時代からの変らぬ製法を受継いでいるという老舗。京都で「つげの櫛」といえば先ず「十三や」の名が挙ると言われる 宮内庁 皇室 御用達 ごうようたし の名店です。 日本人の髪型に使われる柘植櫛は、主に30程の種類があります。しかし、大きさや歯の種類と数も異なるので、実際には、もっと沢山の種類が存在するそうです。 品揃えの点では、事実、京都四条通の「十三や」が間違いなく日本一充実していると、永見先生も太鼓判! 京都という土地柄故に、需要もあるのでしょうねとおっしゃってみえました。 黄楊という表記は、木材の世界において、台湾朝熊黄楊 たいわんあさまつげ を指すことが多いそうなので、この記事においては、柘植と書き表すことに致します。 十三や で扱う柘植櫛の原木には、鹿児島県指宿 いぶすき 産の柘植を使用しています。 指宿地方の気候は温暖で、育つ柘植が堅く粘り気があって、櫛作りにとても適しています。柘植の木には、肥料なども与えられ、大切に育てられるそうです。 櫛作りは、原木とな…

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永見隆幸 十三や櫛店 訪問 上野池之端 櫛専門店

音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、東京上野の恩賜公園、不忍池の辺 ほとり にある櫛の専門店、上野池之端「十三や櫛店 じゅうさんやくしてん」を訪問されました。 温故知新を実践なさり、分野を問わず、古い物にも新しい物にも興味を示される永見先生。 その中でも、木や紙や土や布などの、天然自然由来の材料を用いた手仕事の作品がお好みのように拝察します。 選ばれるものは、芸術的な感性を刺激し、かつ職人の精緻な技術に裏打ちされたものばかり。 しかし、まさか櫛にまで精通していらっしゃるとは、思いもよらず、お話を伺って、造詣の深さに驚き入ったる次第。お見逸れしました。早速まとめて記事にさせていただくことに致しました。 なお、黄楊という表記は、木材の世界において、台湾朝熊黄楊 たいわんあさまつげ を指すことが多いそうなので、この記事においては、柘植と書き表すことに致します。 十三や櫛店 じゅうさんやくしてん の創業は、元文元年 =1736年、第百十五代桜町天皇、第八代将軍徳川吉宗の時代です。森鴎外の作品『雁』にも「十三や」の名が見られるなど、明治期においても、よく知られていました。嘗て十三や櫛店は、北海道から東日本全域の仕事を一手に引受けていたそうです。櫛専門の老舗の中にあって、最古の歴史を誇り、高い評価を受け、東日本第一の名声を揺ぎないものにしています。 櫛という言葉は、「…

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